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曳家とリノベーション

2020.11.07 建築
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「曳家」という文字から何を思い浮かべるでしょうか。

 


「曳」という漢字には、「綱などをつけてひっぱる」という意味があります。

綱や船をひく際に、この「曳」という漢字が使われますが、

家を曳く(ひく)と書いて「曳家(ひきや)」と読みます。

 

 

曳家とは建物をそのままの状態で移動する工法のことで、

建物を解体せずに別の場所へ移動する場合に活用されます。


例えば、

区画整理によって建物を移動させなければならない

新築を建てたはいいが日当たりが悪いので家の向きを変えたい

歴史的な建築物や貴重な文化財等をそのままの姿で移動して保存したい 等々。

様々な理由によって曳家を選択されることがあります。

 

 

-  曳家 + リノベーションという選択 -

 

更に近年では、「曳家」と「リノベーション」工事を組み合わせることで、

建て替えに対する金銭的な優位性や、歴史的なものを保存するといった

従来の文脈を越えたところで曳家を選択する動きも出てきています。

 

今では手に入らないような丸太梁や大黒柱といった古材や

昔ながらの職人仕事でつくられた建具や欄間など

貴重な建材を活かすことで生まれるデザインによって付加価値を高めることも可能になりました。

 

 

また、実家の敷地内にある建築物などの場合には、

その場所や空間での思い出や近隣の方々との関係性など、

施主にしか分からない固有の価値やストーリーといったものがあるものです。

 

このような、固有の素材や背景をデザインすることで、

金銭的な価値を越えた豊かな空間と暮らしを実現することが可能にもなります。

 

 

− 曳家とリノベーション事業者の課題 −

 

しかしながら、曳家には課題が多いのも事実です。

建物の長期利用という世の中の風潮と、リノベーションの普及などにより、

近年新たに注目される機会が増えてきましたが、

高度経済成長により曳家の需要は減少し、今では業者の数もあまり多いとは言えません。

 

また、伝統業界の例に漏れず、技術の伝承、人材の不足等の問題もあります。

マンション等のRC躯体をベースとしたリノベーション事業者の数は増えているものの、

古い木造建築の知識や施工技術や職人集団との関係性を有している事業者の数は多いとは言えないのが現状です。

 

 

このような課題から、古い木造建築の曳家を伴うリノベーションを検討する際には、

デザイン力と施工技術力を兼ね備えた事業者を選定する必要があるのです。

 

 

−リノベーション事業者に求められること −

 

一般的に古くから建っている建物には、

建築基準法の改正前の耐震基準で建てられているものが多いです。

(現在の基準に適合していない建物のことを既存不適格建築物といいます。)

 

なのでリノベーション等を行う場合には、現在の基準に適合させた状態にする必要があります。

柱や壁であれば比較的簡単に補強することができるかもしれませんが、

基礎がしっかりしていない場合はそうも言っていられません。

 

そこで、曳家を伴う古い木造建築のリノベーションの場合には、

揚家(あげや)という建物を土台から持ち上げる工事があります。

 

 

一旦、建物をジャッキアップし、耐震性を確保するために基礎を作り変え、

ジャッキダウンした後にリノベーション工事をするという工程を経るというものです。

 

そうすることで、既存の建物の雰囲気を残したまま建物を蘇らせることができます。 

 

(岩倉市 I様邸リノベーション工事  ー揚家工程ー )

 

 

曳家・揚家に耐えられる状態であることを見極められること

その後の建物の耐震性・快適性を担保する施工技術を有していること

きちんとその建物と施主固有のストーリーをデザインできること

それを実現できる職人集団との関係性が保たれていること 等々

 

条件は多岐におよびますが、古い建物をお持ちの方は、

曳家・揚家の可能性も視野に住宅の検討をされてはいかがでしょうか。

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