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「名古屋城本丸御殿を楽しむ」

uki uki | la CASA 広報
2018.11.01 建築
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今年の6月8日(金)から完成公開された「名古屋城本丸御殿」。皆さんはもうご覧になりましたか?

先日参加させていただいたユネスコデザイン都市・なごやのイベントで告知されていた「名古屋城本丸御殿を楽しむ」というイベントに実はちゃっかり応募をさせていただき、なんとちゃっかり当選!恥ずかしながらまだ行ったことのなかった本丸御殿を無料で、しかも閉館後の夜、特別にお邪魔させていただきました。そのお話を少し。

ゲストは名古屋城本丸御殿の再建に何らかの形で携わられた方々。メインビジュアルやグラフィックデザインを担当された廣村正彰さん、ガイドブックに建築的な視点からご寄稿された五十嵐太郎さん/美術的な視点からご寄稿された橋本麻里さんをゲストに迎え、大のお城好きとしても知られ名古屋城には783回、本丸御殿にはすでに88回も訪れているというクリス・グレンさんがモデレーターを勤められました。そしてなんと!今回のイベントでは「表書院一之間」を使わせていただきました。

 

「本丸御殿のイメージは?」
と聞かれたら、浅い知識しか持ち合わせていない私は迷わず「金色!」と答えてしまうでしょう...笑。ではまず、私と同じレベルの知識しか持っていない方々(ごく少数かもしれませんが...)のために簡単に本丸御殿の説明を...。
名古屋城本丸御殿は天守閣と時を同じくして徳川家康の命を受けてつくられます。最初は初代尾張藩主となる9男・徳川義直の住居でした。しかし義直は結局5年間ほどしかここには住まず、その後は江戸の将軍が上洛(京都に行くこと)する際に宿泊する場所として利用されてきました。
時は経ち、1930年には近世城郭御殿の最高傑作と評価され、城郭としての国宝第1号に指定されますが、1945年、太平洋戦争での空襲によって本丸御殿は天守閣とともに全焼してしまいます。1959年に天守閣は鉄筋コンクリート造にて再建、本丸御殿は再建されませんでした。しかし2009年、江戸時代の記録や昭和に作成された実測図、古い写真といった史料をもとにようやく正確な復元工事に着手。そしてこの2018年、完成公開に至ったのです。

そんな本丸御殿を初めて実際に見た私の印象は、変わることなく「金色!」...でしたが(←結局)、イメージしていた「金」とは随分と違う印象を受けました。ギラギラピカピカしたいわゆる派手な金色ではなく、しっとりとした上品な金色といいますか...語彙力が足りず申し訳ございませんが...なんとも素敵な色でした。そう感じるのは夜ということも大きく関係しているそうです。
名古屋城本丸御殿を再建するにあたりこれほど多くの緻密な史料が丁重に保管されてきたケースは極めてまれであり、それをもとに各分野の一級の専門家たちが集まったことで建物の構造や意匠、絵画や飾り金具に至るまで見事なまでに忠実に蘇っているといいます。では、実際に本丸御殿が建てられた時代のことを考えてみましょう。電気...ないですよね。LED照明...もちろん存在しませんね。ということは、昼は自然光、夜は照明がロウソクだった時代、この本丸御殿はどのようにみえていたのでしょうか。現在の開園時間は9:00〜16:30です。せっかく忠実に蘇らせた本丸御殿の“旨み”を存分に活かすのであれば「実際にそこにある」ことによって見られる・感じられる「変化」を体験する場が必要でしょうとお三方は口を揃えておっしゃいました。単に「ハコ」として終わらせないためにも様々な試みをすべきだと。その通りだと思いました。つくっただけで終わらせてはいけない、そこでの実体験があってこそ初めて実際にそこに「在る」ことの意義があるのでしょうね。

また、近年の日本ではお城の復元・再建ラッシュが起きています。かくゆう名古屋城の天守閣も木造復元が決定しました。「莫大なお金を使ってなんのために...」「本当に2022年に完成するの?」「そもそも計画自体が無理なんじゃ…?」という声など様々な意見がちらほら聞こえてきます。現在の天守閣は再建から半世紀が経過し、設備の老朽化や耐震性の確保などの問題が発生しています。そのような課題を克服するとともに、特別史跡名古屋城跡の本質的価値の理解を促進するためという理由が大きく取り上げられていますが、いちばん大切なのは今回のイベントでも語られた「日本の伝統文化技術の伝承」なのではと私も思います。日本の伝統文化を受け継ぐ方々の高齢化や跡継ぎ不足によってせっかく守ってきたモノが消えようとしているとテレビでもよく話題になっています。私が何かできるというわけでは決してないですが、世界に誇る文化が途絶えず続いてくれたらと切に願います。

昔の時代の文化を再建することによって、日本の技術が後世に続いていくだけでなく、名古屋の明るい未来に大きな影響を及ぼしてくれることを祈ります。過去から未来まで想いを馳せる有意義なイベントでした。

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