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ウサギとカメ「先に土地を買わないで!」

熊澤治夫 熊澤治夫 | laCASA CEO

2017.10.28 建築

一昨日の夜、私の携帯電話へ一本の電話がありました。
ラカーサには、グループ会社でラカーサデリというレストラン飲食の部門がありますが、そのレストランで結婚式の二次会をおこなって頂くお客様からの相談でした。デリスタッフとの打ち合わせの中で「ラカーサって建築もやってるんですよね・・・」「実は、ハウスメーカーの営業の方に土地の購入を迫られていて・・・」「いい土地だから、これを逃したら良い土地は見つかりませんって言うんです」「他の人の買い付けが入るといけないので今週中には決めて欲しいって言うんです」「私たち、決められなくって・・・」

結婚という大きな決断。
そして家を建てるという大きな決断。
結婚については、悩みながらも自分たちで決めていくのですが、家づくりとなると専門の分野なので判らなくて当たり前であり、まして土地の購入などというのは全くチンプンカンプンで判らない。判らないので、先ずはネットで不動産サイトをちょっと覗いてみたら、いろいろな土地がサイトに出ているのは分かった。そこで次に住宅展示場に行ってみる。いくつかの展示場を回ると営業マンからのセールスが始まり、ここからハウスメーカー・営業マン・不動産屋の三者による商売優先の世界にハマってしまい、「新生活」や「人生の夢」は商売論理の中で翻弄されてしまうのです。

不動産屋は土地を売ることが商売なので土地のことには詳しいのですが、そこにどんな家が建ち、どんな生活が始まるかなんてことまでは考えてもみないでしょう。ハウスメーカーの営業マンは「一家売ったらいくら」という歩合制の給与。家が売れなければ給与は最低の賃金だけになってしまいます。工場生産された“家という商品”を売ることにのみ注力するので、買った人のどんな生活が始まるかなんて本気で思ってはいません。生産者であるハウスメーカーは工場生産した家を売ることが商売なので、工場での毎月の計画生産数を安定確保したいばっかりで、営業マンから購入見込数を吸い上げます。ここで土地を持ってない客は家を売るための見込み顧客として見なされないため、営業マンは顧客に土地契約を性急に迫ることとなるのです。

今回相談を受けたお客様は、まさにハウスメーカー・営業マン・不動産屋に翻弄されてしまった典型例でした。お客様とハウスメーカーの営業マンとの間では次のような契約がされたようです。「土地がなければ家が建たないので、土地を探しましょう」「家を建てる仮契約をして頂ければ、当社が最適な土地を紹介します」というもの。お客様はハウスメーカーだからと安心して、良い土地を紹介してもらえると思い仮契約をしたのですが、ほとんどの営業マンに建築知識はありませんし、プロとしての土地の知識も無いので不動産屋に土地紹介を投げるだけ。不動産屋もただ土地が売れればよいのです。営業マンは早く土地を決めさせて、自分の見込み顧客として会社に報告して歩合給を見込みたいだけなのです。

結婚を決めたカップルの望み・夢・目的は何だったのでしょうか? 結婚後の二人での新しい生活、子供が出来て愉しく穏やかな生活…。一番最初に考えるべきは土地や家そのものではなく、重要なことは暮らしであり家族の将来の在り方や夢であるはずです。

家を創ることとなったら
<1番目にする事>
最初にじっくりと、将来の自分たちの生活・暮らしを想像して、二人で何日も話し合うところから始めて下さい。
<2番目にする事>
次に、そんな生活をしていくための基地としての家はどんな家だろうって考えて、ここで始めて住宅会社の検討をするのがよいです。工場生産されるハウスメーカーの家は、服に体を合わせる既製服S・M・Lのようなものであり、ラカーサは体に合わせて服を創るオーダーメイドですから、考え方が全く違います。
<3番目にする事>
そして最後に、そんな生活のための基地はどんな場所に創るのがいいんだろうと決めていきます。以前にも、南向きの土地が良いとは限らないという話をしましたが、暮らしに合った場所というものがあるはずです。

× 土地を決める→家を考える→暮らしや夢を考える
○ 夢や暮らしを考える→家を考える→土地を決める

「目的を達成する為にはどうしたらいいんだろう?」普段だったらみんな普通に考えていることが、人生で一度のこと、経験したことのない初めてのことであるが為に、ある意味パニックであったり、わからないがゆえに他人に投げてしまうのかもしれません。ハウスメーカーの場合は今回のような土地決定を急がせるケースが非常に多くみうけられます。また、限られた予算で注文住宅は無理だとか、まずは土地がなければ家のプランが出ないと思い込んでいる方も多いようにも思います。
土地や家にフォーカスするのでは無く、
夢や目的にフォーカスしましょう!
くれぐれも、土地から決めないでくださいね。

【問】ウサギとカメの駈け比べ(童謡)では、どうして足の速いうさぎが負けてしまったのでしょうか?
【答え】ウサギは、のろいカメが相手なら休憩しても勝てると思った (亀にフォーカスしていた)のに対し、カメはただひたすらゴール地点を目指して (ゴール地点にフォーカスして)歩いたから。

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